創業3期目の発見!経営理念とクレドがあれば会社は自然と成長できる

はじめに

この1月から会社も3期目を迎え、会社も大きくなり、楽しい日々が続いています。

2017年の1月に創業したときにはメンバーは私1人でした。
そして、2017年の終わりには社員が2人。
社長である私と、大学生兼社員の今西(現副社長)です。
それにインターン生の石田くんも合わせると3人でした。
この頃は猫の手も借りたいとばかりに中途半端に採用しようも失敗。
自分たちの時間を作るためにと採用するのですが、その結果、育成には時間をとらず、結局失敗。
けれども、中途半端に入ってもらって手取り足取り教えないといけないのであれば一緒に仕事はできず、結局2人で歯を食いしばりながら毎日毎日事業が固まるまで走り続けました。

売上もそこそこ立ち、1年目にしてしっかりと利益をあげられるようになり、事業も固まってきたため、2018年には再び採用に力を入れはじめました。
最初の失敗があるため、自分たちの中では育成にだいぶ時間を割いたつもりでしたが、いま思うとまだまだ浅い育成でした。
それでも食らいついてくれたメンバーが支えてくれ、2018年の終わりには社員が2名から12名へと成長することができました。
もちろん、うまくいかないことも多々ありましたが、それを上回る楽しさが今のメンバーにはありました。

特に、見ていて毎日ワクワクすることがメンバーの成長です。
平均年齢が27歳の弊社では、成長しきったプロフェッショナル集団というよりも、どんどん挑戦してこれから成長していく若手集団といえます。
フォローが必要な場面はたくさんありますが、コミットした分だけ驚くほどの成長を間近で見ることができます。
人の成長に立ち会うというものは表現し難い喜びがあり、さらにそこに自分が貢献できたとなると嬉しさでいっぱいです。

しかし、困ったことも起こり始めていました。
昨年はじめの人数が少なかった頃は私自身が社員全員を指導できていたため、メンバーが望む成長をしてくれていたのですが、人数が多くなるとそうもいかなくなり、新しく入ってくれるメンバーもこの方向性で合っているのかな?と相談を受けることも増えました。
創業者の思い通りに成長してほしいというのはエゴなので、自分の思うような成長をしてくれると良いのですが、努力しても方向性が間違っており評価されないというのは可愛そうな状況です。
どうにかメンバーの方向性をすり合わせられないかなと昨年の後半に思い、色々と試行錯誤を始めることになりました。

試行錯誤スタート

マネージメントの仕組みを作る

Workplace results professional report accounting during

スケールするためには自分が関わらなくても、メンバーが成長できるような体制を作れないといけない。

そんな至極まっとうな考えをストレートに具現化し、統率がとれるような階級などを設けてマネージメントの仕組みを作ることにしました。
これまでは社長と執行役員以外はフラットであった関係に部署を作ったり、ある程度上下関係を持たせ、まずは自分以外の誰に相談するかを決めていくようにしました。

トップダウンで仕組みを作れば変われると思っていました。

結果は何も変わりませんでした。
それよりも悪化したという気がします。

部署によってメンバー間の変な距離が生じてしまいました。
会社全体を盛り上げたかったのが、部署ごとの目標達成というミクロな問題に目がいくようになってしまいました。

各部署のやり方が私個人の考えと異なることがあり、上司が言っていることと社長の私が言っていることの違いにメンバーが戸惑うことが多くなりました。
積極的な行動が取れていないなぁと日々感じていたのですが、それがこのギャップだと気づいていなかったのです。

毎日全員と15分のミーティング

Male psychologist sitting in front of female patient listening to her problem

それならばと、少しの時間でも良いので、全員と対話してギャップを無くしていこうとしました。

朝7時から全メンバーと15分間、他愛のない話から事業の話まで何でもざっくばらんに話します。
短いようにも思えますが、毎日15分もあれば大概の悩みは聞くことができ、ぶれた中で一日を過ごすことはなくなります。

毎朝3時間近く話し続けることは体力的に厳しい面もありましたが、初期のメンバーと向き合う時間がながければ長いほど、土台がしっかりと築き上げられ、そのメンバーが次のメンバーを大きく成長させてくれるだろうとの期待もあり2ヶ月近く続けました。

結果としては、あまり良くないものでした。
もちろん、個別に話ができたおかげで、今のメンバーの成長があるとも思います。
しかし、2人だけの会話となり、その会話を他の人が聞くことがなく、結果的にかけた労力に対して会社全体に与えた影響が少なかったのです。
また、上司と社長が言っていることが異なる問題は解決されないままでした。

 

この迷いのさなかで出会った一冊の本。
それが「成功者の告白」でした。
主人公も私と同じように一人で会社を立ち上げ、軌道に乗ると事業を大きくするために、社員を雇います。
その結果、事業がさらに軌道に乗るのではなく、社員が増えて問題が発生してしまうのです。
良きアドバイザーの助けがあり、その困難を乗り越えていくのですが、そのアドバイスが自分にとってぴったりでした。

ここで、読者のみなさんにも一旦読むのを止めて3分ほど、考えていただきたいです。
みなさんであれば、このように人数が増えて、統率が取れなくなってきたときに、どのように解決していくでしょうか。

 

Good & New

Closeup of four smiling business people applauding

メンバーの成長に歯止めをかけていたのが、仕組みを作ってその型の中にはめ込もうとしていた自分の考えだと改めて気づきます。
なにか発言しようにも、色々な人の食い違った意見が上から降ってきて、これでは安心して提案することができません。
この「安心」して取り組めるかどうかが実は肝だったのです。

成功者の告白で紹介されていたのが、失敗する人はマネージメントの仕組みを作るとのことでした。
恥ずかしながら、ここでようやく自分の過ちを認識することになります。

そして、取り組むべきは「安心」して働ける環境作りです。
この安心できる環境がないと萎縮してしまい、本来持っている力で働くことができません。

本人の能力が足りないのかと思っていたのですが、そうではなく、本人の能力を最大限引き出してあげられる環境がなかっただけでした。

では、「安心」して働ける環境をどのように提供することができるのか。
もちろん、すぐにというわけにはいきませんが、徐々に文化として作ることができます。

それが「Good & New」。

成功者の告白で紹介されている方法ですが、毎朝数人が1分ほどで24時間以内に合った良かったこと(Good)もしくは新しい発見(New)を話します。
そして、最大のポイントは話し終わったあとに、みんなで拍手をすることです。

拍手をすることで承認を表現することができ、少しずつ何かをするたびに相手への敬意を表す文化が形成されていきます。
他愛もない話ですが、毎朝5分ほどのGood & Newを始めてから、他の人に興味を持つきっかけができたり、お互いを褒め合う文化ができたりと、本当の意味の「安心」が形成され始めた気がします。

経営理念とクレド

Businessman on the top of a mountain

キカガクはAIの教育の会社であると認知してもらえることが多く、メンバーの中でもその共通認識でいたのですが、具体的に何をゴールに目指しているのかが不明瞭でした。
2018年のビジョンとしては「人と人とが教えあえる優しい世界を創ろう」でしたが、これもまだ不明確。

最終的に自分達は何を成し遂げたくて、極端にこれが完遂できれば会社は解散ぐらい言える突き詰めた成し遂げたいことは何なの?とメンバーに聞くと、考えていることが一致しているようでバラバラでした。

これが根本的な原因であることは前から薄々気づいていたのですが、自分の中でもキカガクとして何を成し遂げたいかが揺らいでいました。
メンバーに相談して話し合ったこともあるのですが、これも話が発散していました。
この経営理念はみんなで考えるものではなく、創業者がこれだと決めて、その方向に向かって、みんなで突き進んでいこうが正しい姿だなと気づきます。

そこで、日々の業務から徐々に離れて時間を取り、徹底的に自分と向き合って、自分は何を成し遂げたいのだろうと考えました。
なんでキカガクを立ち上げたのだろう。
なんで教育なんだろう。
教育以外にもしたいことがあるのかな。

そして、自分と向き合い続けた結果、自信を持って成し遂げたいと決めた経営理念

感動的な学びを世界に届ける

でした。

今まで自分が受けてきた教育で感動することはほとんどありませんでした。
黙々と机に座って先生の話を聞くというものが教育だと思っていました。

けれど、それだけではないはずです。
教育はゴールではなく、人の行動を変えるきっかけを作ることであるはずです。

そして、自分の行動が変わったきっかけを振り返ってみると、そこにはいつも「感動」がありました。
バンドをしたいと思ったときも初めてのライブで感動したからです。
エンジニアを目指したいと思ったのもSF映画でテクノロジーに感動したからです。

この感動が自発的な行動のきっかけになり、本当の成長へと繋がっていくはずです。
単に知識だけ詰め込んで、その場はわかっても自発的に行動することに繋がらなければ意味がありません。

分かりやすかったや満足したは当たり前。
人の行動を変えられるような感動を与えていきたい。
そして、それが日本だけでなく、世界基準のクオリティで勝負していきたい。

これが企業理念に込めた想いです。

そして、この企業理念を決めたことで、キカガクはどんな講義を目指せば良いか明確になりました。
単なる専門知識を詰め込む講義ではなく、一種のエンターテイメントとして楽しんでもらえるような講義。
授業が終われば拍手が鳴り止まないアンコールが来るぐらいの講義。
これが目指すべき講義です。

このゴールを達成するために、講師はどうすれば受講生の方に感動していただけるかを精一杯考えます。
みんな同じ方向に向かって考えます。
マネージメントの仕組みを作って統率しようとしても統率できなかったものが、企業理念ひとつをしっかりと決めてみんなに伝えることで、同じ方向を向くことができました。

そして、企業理念と一緒に決めたものがクレド(行動指針)です。
これから増やしていく予定ですが、まずはじめに5つを決めました。

自分から好きになろう

  • 好かれるためにはまず自分から好きになること
  • 何事も好きになってもらってからがスタートライン
  • そのためにはまず気持ちの良い挨拶をしよう
  • 良いところを見つけて褒めよう

ミクロでなくマクロで考えよう

  • 厳密さよりも全体像から考えよう
  • 網羅性よりも代表性を意識しよう
  • 厳密であることが常に正しいとは限らない
  • Done is better than perfect.

戦略にこだわろう

  • 最短で実行するために
  • 戦略なき実行なし
  • ゴールと現状、ギャップと対策を考えよう

感動してもらえる仕事をしよう

  • 与えられた仕事をこなすのは当たり前
  • 期限内に、相手の期待値を超えた仕事をしよう

オンとオフを切り替えよう

  • オンは感動を与えるために
  • オフは感動を受けるために

 

それぞれのクレドにそれぞれの想いを込めました。
そして、これをGood & Newと一緒に、体験談と合わせてメンバーには朝にそれぞれのクレドの話を1つしてもらっています。
人間は7回聞くとしっかりと覚えるとのことで、5つのクレドなので、7週間後にはメンバーにこのクレドが浸透しているはずです。

まだクレドの話は始めて1週間ですが、早速効果が現れ始めました。
メンバーが自発的に考え、周りを巻き込み、それぞれを高め合うような文化ができ始めました。
SNSでの社内の発信も多くなり、まるで別の会社のようにイキイキとしています。

おわりに

成長する組織の仕組みを作るというのはこういうことなのか!と目から鱗な体験でした。
自分のエゴを無理やり押し付けた仕組みを作るのではなく、安心して取り組みを発表できるような環境を作っていく。
そして、目指すべき方向を指し示していく。

また、先日とても嬉しいことがありました。
メンバー全員からお礼の手紙をいただきました。
予想していなかったサプライズにまさに感動です。

こんな楽しくも頼もしいメンバーとこれからも事業を作っていくことができ、とても幸せです。

ABOUTこの記事をかいた人

吉崎 亮介

1991年 京都府綾部市生まれ、27歳。経歴はこちら
株式会社キカガク代表取締役社長 / 東京大学客員研究員
人工知能(AI)から学び方、人生の歩み方まで、多くの方の成長を支援できるような記事を書いていきます。
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