大人のAI教育のために数学の手書きにこだわっている3つの理由

数学は「手書き派」ですか?

みなさん、こんばんは。
株式会社キカガク代表の吉崎です。

早速ですが、みなさんに質問があります。

数学は「手書き派」ですか?

私は今でも数学を勉強するときに、参考書をパラパラと読むだけでは頭に入ってこず、急がば回れとノートに手書きで数式を追って勉強しています。

世の中にはどのくらい手書きで数学を学びたい方がいるのだろう?

これが今回の記事の発端です。

弊社では人工知能(AI)・機械学習に関する社会人向けの研修を行っているのですが、その中で特徴として手書きの数学が挙げられます。
自ら学ぶときの話ではないのですが、講師が手書きで説明するため、受講生も手書きで数式を追っていくという雰囲気が出来上がります。
多くの方に「手書きの数学はすごくわかりやすかった!」とご感想を頂いており、自信をもって手書きの数学で講義をすすめているのですが、世間一般にはどのくらい求められているのでしょうか。

今回は、社会人300人に講師から教わる際に、「手書きの数学」と「数式をスライド記述して解説」のどちらが好みかを気になったので、アンケート調査してみました。

 

手書きを希望する人は全体の75%

調査の結果、全体の3/4にあたる75%の方が「手書きの数学」を選択されていました。
私自身の学び方を好む方のほうが多いということがわかりますね。

ただし、全体の1/4にあたる25%の方は、スライドで数式が投影されて、それを解説していく方が好ましいという選択にも驚きました。
アンケート調査の際の背景の共有不足な気もしますが、大学の講義であるような聞いて理解するだけでも十分という感じなのでしょうか。

それとも手書きで説明があると、ペースがどうしても遅くなってしまうため、スライドでテンポよく解説していってもらいながら、適宜メモを取るという程度で十分ということかもしれません。

これは勉強になりました。
手書きの数学が絶対的な正義だ!と思っていましたが、実はスライドでテンポよく解説していくだけでも十分な方もいらっしゃるのですね。

社会人になってから出会う講義の半数以上が「スライドに数式を記述」

今回のアンケートでは、もうひとつ同じ300人を対象にアンケートを取りました。

それは「社会人になってからも数式を使って講義を受けたことがあるという方のうち、手書きの数式であったか」という質問です。
もちろん、社会人になってから数式を使った講義を受けていない方もいらっしゃるので、その方は「受けていない」と回答いただき、授業を受けたことある方への調査となります。

そして、気になる回答は全体の42%が手書きでの講義であったそうです。
逆に58%の講義はスライドで解説してしまう方式のようです。

私自身も社会人になってから、パワーポイントで作った資料で解説される機会が多く、これではなかなか理解できないよと思っていたのですが、やはり半数以上が受講生の希望とは異なり、スライドを使っていました。

大人のAI教育のために数学の手書きにこだわっている3つの理由

さて、それでは今回はこのアンケートのテーマとなっている「手書きの数学」について、なぜ弊社がそこまでこだわっているかを今回はお話したいと思います。
最下部に講義中のダイジェスト動画もあるため、手書きの数学での講義風景が気になった方は、ぜひそちらを御覧ください。

受講生の理解が最優先。

そのこだわりをキカガクでは大切にしています。

1.視線を誘導することができる

受講生に直接教える授業の形式だからこそ気づいたことですが、これが理解度に大きく影響します。

初学者は情報を処理する順番がわからないため、上から下に、左から右に読み勧めていく傾向があります。
しかし、動画を見ていただいておわかりの通り、理論を説明する際には、単に上から下に、左から右にではなく、左右を行き来したり、上下を行き来したりと何度も動きます

人間は一度にすべてを理解することは難しいのですが、何度か行き来をすることで理解度を増していきます。
そのため、動画を使って教える際には、最初に外枠となる情報を黒字で記載しておき、そこにまた戻りながら、赤字で情報を付加していきながら、理解度を上げていきます。

このような初学者がどこを見るべきかといった情報は参考書のような書面では伝えづらく、またスライドに一度書いてしまった数式では伝えづらいといえます。

2.受講生も書いて学ぶ雰囲気ができる

この理由がスライドに数式を記述する際と大きな差が生じます。

講師が書きながら解説をしていくと、自然とノートに書きながら学ぶものであるという雰囲気になります。
その結果、講師側から促さなくても受講生がノートに書きながら理解をしていきます。

その一方、数式をスライドに記述して口頭で説明していく場合には、ノートに書くスピードよりも早くなることと、ちょっとしたメモしか取らない雰囲気が出来上がり、結果ほとんどの人が書かずに理解しようとしてしまいます。
もちろん、ノートに書かなくても理解できる人にとってはこのほうが進度も早く効率的かもしれませんが、初学者にとってはスピードとしてもついて行きにくいものになります。

「数学はノートに書いて覚えるものです。」
そう主張しながら、スライドで説明を行い、受講する側としてはどっちなんだろうと思うことも少なくありません。
教える側としては、最初の1年は資料作成が大変ですが、それ以降はずっと同じスライドを使い続けるだけで良いため、スライドの方が教えるのが楽というのが本音だったりします。

ノートに書いて覚えるほうが身につきやすいと感じているのであれば、講師側が受講生にノートを取ってもらいやすいような雰囲気作りが大事になります。
ノートに書いてじっくりと考えてほしい。
そんな思いも込めて、弊社のセミナーは今でも講師と一緒に手書きをしています。

3.資料のアップデートが容易にできる

人工知能の分野は、現在すさまじい盛り上がりを見せており、その技術は日進月歩で進んでいます。
また、多くの論文が毎日投稿されており、3年前の技術は「もうなにそれ」と言われていることもしばしばあります。

そんな中で講義を行う側が大切にしないといけないことが講義資料のアップデートです。

しかも、数式だけでなくプログラミングとの結びつきも密接であり、この対応関係がアップデートされることもしばしばあります。
このような日進月歩についていくためには、以下にはやくアップデートしたものを伝えられるかの仕組みづくりが大切です。

もし、スライドで作ったものであると、大幅なアップデートが億劫になるに違いありません。
また、カリキュラムを作る側と講義をする側が異なってくると、そのようなアップデートをうまく反映させることができません。

しかし、日頃から手で書きながら教えている場合、講師がその場その場で最新の情報を更かしたり、古くなった情報を削ってお伝えすることができます。
もちろん、講師が日頃から最新情報を追っているという前提があります。

受講生の理解を最優先に考えれば、どのような講義形式が良いのだろうとたどり着いた結果でした。

【宣伝】手書きで解説!代表格のハンズオンセミナー

弊社のセミナーの中でも最も人気のあるものがディープラーニングハンズオンセミナーです。
こちらは3日間で手書きの数学から始まり、ハンズオン形式のプログラミングまですべて講師と一緒に進めていくスタイルです。

日本ディープラーニング協会のE資格のための認定プログラムにも選ばれており、セミナーを受講して効率よく知識が得られるだけでなく、資格にもつなげることができます。
現在はディープラーニングを勉強していますという方は多いですが、実務で使えるということを証明することが難しく、このE資格はその証明のひとつになるに違いありません。

講師陣は手書きの数学での説明やハンズオン形式のプログラミングを「わかりやすく教えられる」練習を徹底的に積んだメンバーであり、その業界の知識を有しているだけではありません。
プロフェッショナルが教えることにも意味はありますが、「プロフェッショナル=理解しやすい」というわけではありません。
大学の教授の講義が必ずしもわかりやすかったとは限らなかった経験と同じです。

わかりやすく教えられるテクニックも磨いた講師陣の講義は頼もしく、そして一種のエンターテイメントととして楽しんでいただけると思います。

その結果として、こちらのディープラーニングハンズオンセミナーの満足度は実に94%を超えています。
カリキュラムの精査だけでなく、受講生の理解を徹底的に考えたキカガク流の講義スタイルだからこそ、実現することができています。

毎月、定期的に開催しているため、詳細は下記のリンクよりご覧ください。
セミナーページでは、AIの「今」がわかるE-bookも無料で配信しているため、そちらもぜひご覧ください。

ABOUTこの記事をかいた人

吉崎 亮介

1991年 京都府綾部市生まれ、27歳。経歴はこちら
株式会社キカガク代表取締役社長 / 東京大学客員研究員
人工知能(AI)から学び方、人生の歩み方まで、多くの方の成長を支援できるような記事を書いていきます。
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